インサイドセールスとは?関心を集める理由と6つの導入メリットを解説!
2024/02/25
近年、企業では人手不足が進んでいるため、営業活動の効率化の重要性が高まっているのが現状です。
そのため、従来の手当たり次第にアプローチする営業手法の代わりに、見込み客を選定してアプローチする「インサイドセールス」という手法が注目されています。
このインサイドセールスには、様々なメリットがあり、導入後に成果を上げている企業も増えています。
この記事では、インサイドセールスの概要とメリット・デメリットについて解説します。
インサイドセールスとは
「インサイドセールス」とは、マーケティング・営業手法の1つです。
見込み顧客の中から、成約の可能性があるかどうかを判断し、すぐに成約しそうな見込み客を対面営業に割り当てます。
逆に、成約しそうにない見込み客については、Eメールや電話などの非対面の営業手法を用い、成約の可能性を高めます。
また、既存の顧客についても、次回の購入や追加提案の見込みがあるまでは、営業の担当者に代わってフォローするという仕組みです。
従来では、見込み客の選定からテレアポ、提案やクロージング、顧客のフォローやアップセル・クロスセルなど、これらすべてを営業の担当者が行っていました。
このような従来の手法は、顧客との連携ができる一方で、担当者の業務量が膨大になるというデメリットがありました。
また、受注される見込みが低い顧客も、多数担当する必要があり、営業効率が低くなる原因となっています。
インサイドセールスを導入することで、営業担当者は、従来任されていた見込み客の獲得や商談、受注後の顧客フォローの業務を行う必要がなく、提案からクロージングまでの業務に集中できるため、営業の効率化や売上の向上につなげることができます。
インサイドセールスが関心を集めている理由
近年では、様々な理由により、インサイドセールスが注目を集めています。
ここでは、その理由について解説します。
業務効率化・生産性の向上が求められている
近年では、人手不足が深刻化しており、営業の人材確保に悩んでいる企業が増えてきています。
そのため、より少ない人材で売上を向上させるために業務効率化・生産性の向上がより重要になっています。
これは、営業の場面においても同様で、営業の効率化が必要です。
より少ない営業担当者で、売上の向上が見込めるインサイドセールスは、近年の企業状況に適しているため、注目を集める原因となっています。
非対面のコミュニケーションツールの進化
近年では、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、テレワークを導入する企業が増えています。
また、ZOOMなどのビデオ会議システムが普及するなど、非対面のコミュニケーションツールが進化してきています。
そのため、営業活動としては、従来の対面営業重視ではなく、非対面での営業活動も重視されているのが現状です。
その結果、顧客と対面せずに営業活動ができるインサイドセールスが注目されるようになっています。
サブスクリプションの定着
現在では、サブスクリプションというビジネスモデルが定着してきています。
サブスクリプションとは、サービスの所有権を販売する代わりに、一定期間利用できる権利を販売するビジネスモデルです。
サブスクリプションは、従来の買い切り型のサービスを比較して価格が低いため、従来の営業手法で販売した場合、価格に対する営業担当者の負担が大きくなります。
また、サブスクリプションの場合、売上を上げるためには長期間継続してもらう必要があるため、販売後も定期的にフォローすることで継続してもらうことが必要です。
このように、サブスクリプションの場合は、従来の営業手法では負担が大きいため、営業担当者の負担軽減ができるインサイドセールスに関心が集まる原因となっています。
インサイドセールスを導入するメリット6つ
インサイドセールスには、様々なメリットが存在します。
ここでは、そのメリットについて6つ解説します。
業務効率化・生産性のアップに繋がる
現在、多くの企業では人手不足が深刻化しています。そのため、業務効率化や生産性の向上は重要な要素です。
インサイドセールスでは、少人数でも多くの成果を上げられることから、営業活動全体で業務の効率化が可能です。また、これらの営業活動にあてる人材も少なくすることができます。
また、インサイドセールスでは対面で営業活動をする必要がないため、在宅で仕事をする人材も活用できます。
そのため、今後の人手不足対策としてインサイドセールスはさらに重要となっていくでしょう。
営業経費を抑えられる
従来の対面営業では、客先に行く必要があるため、交通費や宿泊費などの費用がかかっていました。
インサイドセールスの場合、非対面で営業活動ができるため、このような費用は不要になります。また、営業担当者の物理的な移動時間も不要になります。
これらの理由から、インサイドセールスを導入することで、営業経費を抑えることが可能です。
営業活動の範囲を拡大できる
インサイドセールスは、従来の対面営業とは異なり、対面の必要がないため、営業担当者が移動する必要がありません。
そのため、これまで訪問するのが困難だった地域の見込み客にもアプローチすることが可能です。
受注できるかどうか分からない見込み客のために、長距離を移動するのは費用対効果が高いとはいえません。
インサイドセールスでは、顧客の見込み具合を見極めてからフィールドセールスを行うため、最小限の訪問回数で受注の可能性が高い顧客に訪問するため、営業活動の範囲を拡大しやすくなります。
1日あたりの商談数を効率的に増やせる
従来の営業手法で見込み客に対してアプローチをする場合、営業担当者はそのための時間が必要になるため、1日にアプローチできる数には限界があります。
インサイドセールスの場合、見込み客に対して直接訪問せずに、アプローチする営業手法であるため、訪問するための移動時間などに関係なく営業活動ができます。
そのため、従来の営業手法と比べて、多くの見込み客にアプローチすることが可能です。
人員不足の解消に繋がる
インサイドセールスでは、見込み客に訪問せずにアプローチできるため、一人で多くの見込み客を担当できます。
そのため、見込み客を商談に導くまでのプロセスは、少人数でも成立可能です。
また、営業担当者は関心が高い見込み客との商談に集中できるため、成約率の向上も期待できます。
売上予測が立てやすい
インサイドセールスではマーケティングオートメーション(MA)、フィールドセールスではSFA(営業支援ツール)を用いて、営業活動をログで残します。
そして、これらを連携させることで、自社の営業活動の状況をデータで把握することが可能です。
そのため、見込み客の育成や受注までの過程を数値化できるため分析しやすく、将来的な売上予測が立てやすくなります。
インサイドセールスを導入するデメリット3つ
ここまで、インサイドセールスのメリットについて解説しましたが、インサイドセールスにはデメリットも存在します。
ここでは、そのデメリットについて3つ解説します。
インサイドセールスの知識・技術を構築する必要がある
インサイドセールスを行うためには、その業務内容によって、必要となる知識や技術があります。
インサイドセールスでは、訪問営業を行わないため、フィールドセールスよりも簡単であると思われがちです。
ただ、対面で商談できないため、相手の気持ちを理解するのが難しいため、無理なく情報を引き出すスキルが必要になります。
また、日本ではインサイドセールスの歴史が浅く、経験者が多くありません。
インサイドセールスでは、マーケティングやカスタマーサービスの業務を兼務することがあるため、人材の確保や育成が課題です。
情報共有の環境を整備する必要がある
インサイドセールスでは、見込み客をフィールドセールスに引き継ぐまでの期間は、インサイドセールスの担当者がその見込み客とコミュニケーションをとっています。
そのため、このようなコミュニケーションの内容については、フィールドセールスに引き継ぐ際に、営業担当者と情報共有しておく必要があります。
また、同じ見込み客に対して、インサイドセールスの複数の担当者がコンタクトを取っていることもあるため、見込み客を混乱させないためにも、インサイドセールスの担当者間でも情報共有は必要です。
そのためには、必要な情報をリアルタイムで共有できるツールや仕組みなどの環境整備が必要になります。
システム導入が必要な場合がある
インサイドセールスでは、売上予測や分析などのために、MAツールが必須となります。
また、インサイドセールスの担当者とフィールドセールスの担当者で情報共有を行うためのシステムも必要です。
これらのツールがまだ導入されていない場合は、導入するためのコストがかかります。
費用面のコストも必要ですが、導入後にそのシステムに慣れるための手間と時間も必要です。
もしこのようなツールに担当者が慣れていない場合は、その手間はより多くかかることになります。
そのため、導入するツールはできるだけ使いやすいものを選ぶようにしましょう。
インサイドセールス2つの種類
インサイドセールスには、大きく分類してSDRとBDRの2種類に分類されます。
SDRは、受け身のインサイドセールスと呼ばれていて、BDRは攻めのインサイドセールスと呼ばれています。
ここでは、インサイドセールスのSDRとBDRについて解説します。
反響型:SRD
SDRとは「Sales Development Representative」の略で、SNSやブログなど、自社コンテンツを活用したインバウンドマーケティングで集めた顧客をフィールドセールスに引き継ぐセールスチームのことで、反響型と呼ばれています。
インバウンドマーケティングで集めた顧客は、自身がコンテンツなどを見て問い合わせや資料請求をしているため、すでに自社のサービスに興味がある状態となっています。
SDRでは、このような興味がある状態の顧客に対して、うまくクロージングするために、適切なタイミングでコンタクトをとることが重要です。
SDRの対象となる企業は、中小企業がメインのため、案件数は増やせますが、受注単価や継続率が低いことが問題点です。
新規開拓型:BRD
BDRとは「Business Development Represenative」の略で、新規開拓型の手法で、事業規模や相性などから、セグメントを分けてアプローチするセールスチームです。
対象となるのは、大手企業がメインとなるため、アプローチの手法がSDRとは異なります。
SDRでは、顧客をフィールドセールスに引き継ぐ際に特に決まり事はありませんが、BDRの場合、企業に応じてインサイドセールスとフィールドセールスの担当が決まっていて、それぞれチームとして営業活動を行います。
SDRとBDRには、それぞれ特徴があるため、アプローチをする対象に合わせて、使い分けることが重要です。
インサイドセールスとテレアポの違い
インサイドセールスとテレアポの違いですが、一番の違いは業務での最終目的です。
テレアポはアポイントの獲得が目的であるのに対し、インサイドセールスは顧客との関係構築や商談の獲得が目的です。
テレアポでは、アポイントの獲得数などの量が重要視される短期的な戦略です。顧客リストに順番に電話でセールスをするなど、使い切りのフロー型ビジネスとなっています。また、アポイントの獲得が最終目的なため、提案や売り込みは行いません。
インサイドセールスは、顧客の育成から商談に至るまでを重要視した長期的な戦略です。そのため、顧客情報や信頼を積み上げていくストック型のビジネスとなっています。見込み客を育成し、商談につなげるまでが最終目的で、そのために、自社のセールスポイントやメリットなどの情報提供を行います。
テレアポでは、受注の見込みの可能性に関係なく、できるだけ多くの顧客にアプローチすることが目的です。そのため、アポイントを獲得した段階では、受注できるかどうかは不明で、その後の受注はフィールドセールスへの影響が大きくなります。
インサイドセールスの場合、顧客の関心が高い状態で商談に入るため、テレアポよりも受注されやすい傾向があります。また、商談化の定義がされているため、商談の質が安定しており、トップセールスの能力に依存するなどの属人化も予防できます。
まとめ
ここまで、インサイドセールスの概要とメリット・デメリットについて解説しました。
インサイドセールスは、見込み客の中から成約に近いものを見極め、フィールドセールスに引き継ぐことで成約につなげる営業手法です。
インサイドセールスは非対面で見込み客にアプローチできるため、営業活動の効率化が可能で、少人数でも担当できるため、人材不足対策にも有効です。
ただし、インサイドセールスは専用の知識や技術が必要で、さらに情報共有も重要です。
そのため、情報共有できるためのツールやシステムを導入する必要があります。
インサイドセールスは日本では歴史が浅く、経験者も少ない手法ですが、業務効率化や生産性の向上が期待できるため、今後もさらに注目される営業手法となっています。